蒼い日々の中で

オーストリア、ザルツブルクで指揮者になる修行中の水野蒼生が綴る散文たち。

人生の恩人であるフレディ・マーキュリーの命日に思うこと。

11月24日。 意識してこの日を迎えるのも今年で12回目。24歳の僕にとってちょうど人生の半分だけ、この日は僕にとって特別な意味を持っている。 11月24日。 フレディ・マーキュリーの命日。僕が生を受ける3年前の1991年のこの日、僕がもっとも尊敬する音楽家…

僕がクラシカルDJとしてメジャーデビューした理由

本文を書き始める前に、まず最初に言わせてほしい。 一番驚いたのは僕だ。 賞歴もない、知名度もない、日本国内での学歴だって高卒どまり。 ただちょっと奇抜なアイデアがあって、それを猪突猛進で形にする意地があるだけだ。 そんな自分がまさかドイツグラ…

日比谷線はこれから延々と「トリスタンとイゾルデ」を流し続けろ。

久々にニュースを見てめちゃくちゃに怒っている。 【日比谷線、車内BGMを試験導入 クラシック音楽で「より快適に」】http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1801/24/news115.html クラシックがナメられている。なにが、「より快適に」だふざけるな。 もち…

O.E.T結成記念公演"Opening"

ありとあらゆる感情が詰まった7月が終わった。 7月20日、僕らのベートーヴェンが渋谷に鳴り響いた夜から10日ほど経って、O.E.Tロスも身体的疲労も落ち着いて、今ようやくO.E.T結成記念公演"Opening"について文章を書き始める事が出来ている。 企画を始めたの…

【全てはここに書いてある】O.E.Tを知るための3本の記事

日本に帰って来た。 梅雨の嫌になる蒸し暑さにもまだ懐かしさを愉しみながら、一日中バタバタ動いていた帰国初日だった。 もうかれこれ此処に文章を書くのは約20日ぶりになる。 ありがたいことにO.E.Tに協力してくれる人達が、素晴らしい文章で僕の思いをそ…

O.E.Tがクラウドファンディングをする理由。

東京ベスト9と庶民オケ 東京は意外にも世界で稀に見るオーケストラ過密都市だ。まず在京のプロオケがこの街には9つもある。 この東京ベスト9の下にはアマチュアオケや学生オケは五万とあるし、プロの寄せ集めのオケだって結構あるもんだ。 そしてその大量の…

第九の歌詞を超訳してみたらエモすぎた件。

なあ兄弟。こんな音じゃなくてさ、一緒に気持ちよくこの喜びを歌おうぜ。 喜び。 それは、美しい神々の放つスパークと、楽園からの乙女。 僕たちは火を飲む覚悟で、その天上まで登ってやるよ。 時代に隔てられたもの達を、あなたの魔法が再び一つに束ねると…

3000円の魅力的な使い方。

想像してみてほしい。 「あなたは3000円、貰えます。」 「しかしあなたはそれを今日1日の間に最も充実した使い方をしなければいけません。その為ならなんだってかまいません。」 ずっと欲しかったレコードを買ったり、高級ホテルのランチに行ってみたり、文…

ベートーヴェンが笑ってるwww

そりゃ人間だもん。 笑うし泣くよ?ベートーヴェン。 Edited by Faceapp「どうもルートヴィヒっす。作曲家やってます。趣味は朝に60粒数えて豆を挽いて淹れるコーヒーです。よろしくお願いしまーす!」 そうなの。実はかなーり人間臭かったベートーヴェン。…

新しいこと。

長いこと僕はずっと、このブログに雪の日の思い出を書き殴ってきたけれど、もう外は初夏の太陽がギラギラと街を照らしていて、エアコン文化がないこの国に少しの苛立ちを覚える季節になっている。 今日僕がここに書きたいのは、過去の記録ではなくて未来にあ…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタル プレイバック No.5

本編を全て終えてザワザワと熱狂するフロアを前にステージからは再び轟音のピアノが鳴り響き始めた。 この夜を彩ってくれた3人のピアニスト、鶴久龍太、三好駿、高橋優介の3人6手によるヘンデルの「ハレルヤ」。誰もが一度は絶対に耳にしたことのあるヘンデ…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタル プレイバック No.4

「では、今夜の東京ピアノ爆団セカンドリサイタルの成功を祝って、、乾杯!」 Photo by Hirokazu Takahashi ステージで乾杯の音頭を取り、再び10分間のDJタイム。そんな転換の時間はあっという間に過ぎ去り、僕は最後のピアニストを呼び込みステージを後にす…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタル プレイバック No.3

転換中、ステージでDJ中の僕の前に広がるフロアは本当に明るい雰囲気で満ちていた。 所々で響く笑い声、ピアノの感想を語り合うカップル、お酒のお代わりを求める人々で奥のバーカウンターには楽しそうに歓談する長い行列が出来ていた。 そんな10分間はあっ…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタル プレイバック No.2

「それじゃあ大きな拍手でお迎えください、鶴久竜太!」 鳴り響く歓声の中、ピアニストのツルはすうっと舞台に現れた。 その出で立ちは紺のスーツにワインレッドのネクタイというスマートなルックス、僕のような自己主張の激しいうるさい存在感はどこにも見…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタル プレイバック No.1

ちょうど1ヶ月の時間がポカンと空いてしまった。 いや、色々な事があったんだ。その色々は僕のこれからの人生の大きな宝になる色々で、このピア爆のプレイバックを終えた頃にはすぐにここに書くだろう。 早くそれを書きたくてしょうがないし、季節は既に葉桜…

東京ピアノ爆団 2ndリサイタルを終えて

もうあれから一ヶ月が過ぎている。 今はふたたび日本から8000km以上はなれた欧州の夜の中で僕はiPhoneの画面をペタペタとさわって文字を入力し、拙い文章をつづっている訳だけれど、あの雪の夜の出来事が幻想じゃなくて現実だったってだけで今ここザルツブル…

東京ピアノ「爆団」

2月9日に開催する「東京ピアノ爆団」への思いを書き殴るシリーズの第3弾で最終回。 第三編「爆団」 まず爆団ってなんだ?って話になるけれど、確かにクラシカル音楽の団体名に「爆」なんて漢字が入る事はまず無いと思う。 だからこそコントラストがついて面…

東京「ピアノ」爆団

東京ピアノ爆団への思いを書き殴る記事の第二編。 「ピアノ」 もしも世界で音楽家って存在があなた一人しかいなくなって、これからあなたが好きな楽器をひとつだけ選び、それを弾き続けるとしよう。 そうしたらあなたはどの楽器を選ぶ? 僕だったら、間違い…

「東京」ピアノ爆団

3度に渡って書いていく「東京ピアノ爆団」についての記事の第1篇「東京」。 東京に限らずデカい街が僕は好きだ。そこに住む人の数だけ文化があり物語があり、そしてその数だけの舞台がある。でも街はずっと地続きだから舞台の境界線はリンクしている。文化と…

こんな駄文を書き始める言い訳。

年が明けると同時に新しい何かを始めたくなるのは確かに人の性だとは思うけれど、こうして2017年が訪れたと同時にブログを立ち上げたりしてる自分はなんて陳腐な男なんだろう、なんて少し笑えてくる。 蒼生です。あけましておめでとうございます。今年もよろ…